花が咲き、蝶が舞い、空は澄み渡り、さわやかな風が吹く、生き生きしている頃という意味の4月5日「清明」は「清浄明潔」(しょうじょうめいけつ)という言葉を訳したものと言われています。例年この頃に東京の桜は満開となりますが、今年は3月24日で10日も早くなりました。
4月20日「穀雨」(こくう)は、地上の穀物が元気に育つように恵みの雨が降る頃という意味です。夏にむけて陽気の上昇が強くなる時期です。のぼせやすい、めまいがする、目が疲れるなど、そんなとき菊花や桑葉のお茶を飲みましょう。補血滋陰・平肝作用がある食材を選びましょう。

◎今回のレシピについて
北海道の会員さんから、帆立貝を使ったレシピが届きました。雪に慣れている北海道の方でも、今年は「数年に一度という猛ふぶき」が続き大変だったことと思います。平昌オリンピックではLS北見カーリングの活躍があり、北海道でもオリンピックの話題で賑やかだったそうです。北海道の帆立は1年を通して出荷されているそうですが、稚貝をかごに入れて海中に吊るし、1~2年かけてゆっくり成長させて漁獲する垂下式は、3月~4月に多く水揚げされます。一番おいしいこの時期に是非ご紹介したいとの事です。


4月(清明・穀雨)のおすすめ薬膳

考案:日髙 昭子 
アドバイス:日本国際薬膳師会認定部(写真、レシピ等の転用禁止)


  素材名:帆立貝、菊花、枸杞子、セロリ、長芋、豆苗


滋陰平肝養目
帆立貝(生)・・・・・
枸杞子・・・・・・・・
菊花・・・・・・・・・
セロリ・・・・・・・・
長芋・・・・・・・・・
豆苗・・・・・・・・・
生姜・・・・・・・・・
酒・・・・・・・・・・
片栗粉・・・・・・・・
鰹節だし汁・・・・・・
菜種油・・・・・・・・
胡麻油・・・・・・・・
酢・・・・・・・・・・
塩・・・・・・・・・・
大4個(120g)
10g
20g
20g
20g
10g
5g
小匙1
小匙2
100cc
小匙1
小匙1/2
少々
少々

1. 帆立貝は厚みを2枚に切り、酒で下味を付ける。片栗粉をまぶし、菜種油で軽く両面を焼き、取り出しておく。
2. 菊花は酢少量入れた湯でさっと茹でる。
3. セロリ、長芋は5ミリ角に切り、豆苗も同じような大きさに切る。
4. 胡麻油でみじん切り生姜を炒め、セロリ、長芋を入れ、だし汁を加え、加熱する。
5. 4に1の帆立貝を入れ、豆苗、水で戻した枸杞子、2の菊花を加え、塩少々で味を整え、ひと煮立ちさせる。

帆立貝・・・・・・

枸杞子・・・・・・

菊花・・・・・・・

セロリ・・・・・・

長芋・・・・・・・

豆苗・・・・・・・
滋陰類   平・甘・鹹/肝・脾・胃・腎
      滋陰補虚、調中開胃
滋陰類   平・甘/肝・腎
      滋補肝腎、益精明目
辛涼解表類 微寒・辛・甘・微苦/肝・肺
      清肝明目、疏風清熱
清熱類   涼・甘・辛/肺・胃
      清熱利尿
補気類   平・甘/脾・肺・腎
      補脾養胃、生津益肺
理気類   平・甘/脾・胃     
      健脾益胃

4月は陽気が持続して上昇し、肝の機能が失調しやすくなる季節です。肝の活動が盛んになり、頭痛やめまいや目の充血などもみられますが、滋陰により肝の陰血が補われると平肝につながり、症状が改善されてきます。肝経に入る滋陰作用の帆立貝、枸杞子に菊花、セロリを組み合わせることにより、肝の興奮状態を調整することが期待できます。肝の疏泄作用は脾との関連もあり、長芋と豆苗を加え脾を健やかにします。
帆立貝と5種の素材の彩りにより肝の働きを助け、気持ちもリラックスできる一皿に仕上げました。

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